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M3 2025 春 ご来場ありがとうございました!新作解説

みなさんこんにちは。 若草レコードの代表、東條です。

早速ですが、先日のM3 2025春出展のご報告です。

今回も、たくさんの人に若草レコードの音源をお買い上げいただけました。 この場を借りてお礼申し上げます。 ありがとうございました!

EDGEy Tracks#2 解説

今回の無限軌道の新作は、M3 2024春でリリースした「EDGEy Tracks#1」に続く「EDGEy Tracks#2」です。 つまり、Behringer EDGEとRoland T-8で作った100個のループから厳選して11曲のミニマルトラックに仕上げたものになります。

mugenkidou.bandcamp.com

「先に大量にループやパターンを作っておく」という、無限軌道が得意とする楽曲量産テクニック全開のアルバムになっています。

2024年2月のツイート「2023年11月末から着手したミニマル百人組手プロジェクト。EDGE+モジュラー+SP-404mk2でひたすらミニマルなループを作り続けて、今日で100ループ完成。このループを厳選して何曲仕上げられるか」というので作られたのが、前作「 EDGEy Tracks#1 」なのですが、まだ続けていたのかという驚きがありました。 「EDGEy Tracks#2」は、無限軌道ファンならかなり安心しておすすめできる内容なので、あまり解説する必要がないです。

一方、フリーダウンロード曲の「THE NARROW SPACE」について気になっている人も多いはずなので、解説しておきます。

mugenkidou.bandcamp.com

「劣化したヒプマイみたいな下手くそなイラストは誰が描いたんだ?」
と思った人も多いのでは?

イラスト苦手なんで、多分これ1枚で2曲分くらいのHP使ってますね…

あまりにもイラストの仕上がりが遅い東條に痺れを切らしかけた無限軌道が、ChatGPTに指示したプロンプトから推測すると「DJ無限とMC素数による二人組のヒップホップユニット、The Narrow Spaceは、Trap Beatに乗せて激狭物件への愛をラップに乗せて表現しています」ってコンセプトのようでした。

ちなみに東條もSynthesizer-VのLiamでラップに参加しています。

調子に乗ってカラオケボックスに2時間ほどこもってコピーを試みたものを提出しましたが、

無限軌道に

「フローが全然違う!(ダメだよこれ)」

と言われたのが印象に残っています。
そこ、こだわりポイントだったんですね…

Coral Sea TJH8

TJH8としての新作カセット「Coral Sea」は3曲入りですが、bandcampでダウンロードすると2曲追加で聴けるものでした。 当初、30分テープに全曲入れたものを制作していましたが、入手した中国製ブランクカセットの品質にばらつきが多くて確認のために試聴したところ、異様にゲインが低く録音されていたので、改めて国産ビンテージカセットテープを使用したため、3曲入り10分になってしまいました。

内容的には、前回同様にSynthesizer-Vの重音テト+Maiをボーカルに据えて、70年代後半〜80年代前半くらいのNewWave/Post-Punkを意識したいつものサウンドです。

tojoh8.bandcamp.com

コーラルレッドの海

今回は、あまり明確なコンセプト(前回のようなシューゲイザーっぽい曲とか)はなく、DigitechのTrio+というLooperに、60年代のR&Bのようなベタなコード進行を入力したら生成されたテクノポップ的なパターンをヒントに作りました。

コーラルレッドの海って赤潮かよ…って言われそうですが、珊瑚礁がある奄美群島のイメージで考えたタイトルです。
奄美大島に単身赴任した銀行員から聞かされた話を元に、奄美大島出身の女性の視点で曲の世界観を組み立てました。
あまり直接的な表現にならないように苦労しましたが、気分転換のために読んだ下村富美の「花狂い」という常世伝説をモチーフとした短編漫画から多少のインスピレーションを得ることができました。
下村富美は寡作であまり知られていませんが、物理本を手元に残してある好きな漫画家の1人です。

Chaotic Dragon Laboratory Mugenkidou remix

この曲は、昨年秋のM3でリリースしたものの無限軌道リミックスです。
ポップな仕上がりの「軽快」と、かなりダビーで暗く重い「荘重」の2パターンを作ってもらいました。
もうちょっとマシなタイトルを考えろと言われそうですね。

遭遇

この曲は、Chaotic Dragon Laboratory Mugenkidou remixの「荘重」バージョンが結構気に入ったので、それを元に別の歌モノに仕上げたものです。 原曲である「薬種問屋混沌街店(Shoow/祀さん)」という曲には、別テイク「Encount」が存在するのですが、その曲のピアノの旋律をほぼそのまま歌メロにしています。
インストに歌詞をつける行為は、伝統的にリスキーな行為(だいたい笑ってしまう仕上がりになる)だと思いますが、意外とうまくまとまりました。 原作者から「原曲の方がリミックスに聞こえてしまう」とのお褒めのコメントをいただきました。

めちゃくちゃ会いたくないやつと最悪のタイミングで遭遇してしまいがちな状況をゲームの登場人物になり切ってなんとか衝突を回避しようとする厨二病的な心情を、普段使わなそうな語彙を使って表現しています。

(龍みたいなやつ)とは、あまり深い意味はないのですが、小生が作詞家として影響を受けている「横山剣」が、少年時代に初めてキャロルの矢沢永吉を見た時の衝撃を「龍を見た」と表現した話がとても好きで、なんか危険なものに遭遇してしまった感じを出したくてつけたサブタイトルです。

最後に

DLコード、死蔵しないでちゃんと引き換えてね。